ディアパソンピアノをデザインしたのは、日本のピアノ界にその人あり、と知られる大橋幡岩です。13歳にしてこの道に入り、ピアノ制作ひと筋に70余年。日本のピアノを国際的な水準に高めた功労により、昭和54年(1979年)4月29日、名誉ある勲六等単光旭日章を授与された、ピアノ界の至宝ともいえる人です。

ディアパソンは、この大橋の設計によって、昭和23年(1948年)、手づくりによる記念すべき第一号が完成したのです。それまで40年以上にわたり、ピアノづくりをしてきた大橋が、どうしても「自分が理想とするピアノをつくりたい」との思いにかられて準備に準備を重ね、培ったピアノづくりの経験をもとにピアノの原理、原則を理解し尽くした観点から「理想のピアノ」だけを念頭に置いてデザインしました。

DIAPASON IMAGE
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そして木型をとり、素材を選び、ノミとカンナ、ノコギリなどを主な道具に、採算も、手間も、まったく度外視して、「いい音」「納得できるピアノ」だけを追い求めた制作活動の末、戦後間もない日本にディアパソンが産声をあげたのでした。理想を追求したそのピアノは、奇しくも音楽的価値で世界を凌駕したベヒシュタインに音質が近いと評されました。正統なヨーロッパタイプの音質を持つディアパソン世に出たのです。

現代においてもディアパソンの職人たちは、この基本設計者である大橋幡岩の思想と技術を受け継ぎ、その理想にさらに近づくために技術を磨き続けています。